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障害年金受給のための基礎知識(第5章)

5ー1~5ー4

 5−1 受診状況等証明書について
  
 障害年金受給のためにとても重要なのが、初診日の特定です。初診日の医療機関と診断書作成医療機関が同一の場合には、その診断書に初診日の記載が入りますので、よいのですが、初診日の医療機関と診断書作成医療機関が異なる場合は、初診日を特定させるため受診状況等証明書という書類が必要になります。


【受診状況等証明書の作成依頼をするときの注意ポイント】

@ 作成を依頼する医療機関で丁寧に説明する。

 
すべての医療機関の先生が、障害年金受給のための書類作成のプロとは限りません。
医師にすべて任せておけば、大丈夫だという考えは危険です。

 少なくとも、受診状況等証明書の作成を依頼する際は、障害年金の請求には発病の時期と初診日を特定しなければならないことを説明してください。この部分をあいまいに記載されてしまいますと、特定が難しくなります。


A 障害年金を請求しようとしている傷病の記載をしてもらう

 
当たり前のことを言っていると思うかもしれませんが、相応にして障害年金受給のために依頼しているのに、まったく違う病気のことを書かれて、意味のない書類になっていることがありますので、必ず確認してください。

各記入欄で気をつけたいことは


「傷病名」
現在の傷病名と関連性がある傷病名は必ず、記載してもらいましょう。

「傷病年月日」
できるだけ、特定した日を書いてもらいましょう。無理であれば、何年頃と推定としてもらいましょう。

「傷病の原因または誘引」
ここには、障害年金を請求しようとしている傷病について書いてもらいましょう。



 5−2 受診状況等証明書が添付できない理由書について
 

 さまざまな理由により、5−1で説明した受診状況等証明書が提出できないときもあると思います。そのような時は、代わりに受診状況等証明書が添付できない理由書を提出することになります。

 しかしながら、できる限り受診状況等証明書を提出するように努力してください。なぜなら、初診日特定ができていないということになり、審査する側もとても支給に慎重になるからです。

 よくある事例として、医療機関に問い合わせたところ、記録が残っていないから書けないと言われることがありますが、粘り強くどうしても必要な書類であることを伝えることにより、何らかの記録が出てきて書いてもらえるというようなことは多々ありますので、すぐにあきらめることのないようにしたいものです。

 どうしても、書いてもらえない時は、理由書を提出することになるのですが、その場合もできるだけ多くの参考資料を添付して審査する側がわかりやすいようにすることが大切です。


 5−3 診断書について
 

 医師による診断書により、障害年金受給の有無・等級が決まる大切な書類です。審査する側にとっての一番の判断書類となります。診断書は、もちろんのこと医師が書くことになりますので、患者はすべて医師任せでよいかというと、私はそうではないと思います。

 医師は医療のプロです。しかしの患者のことをすべて把握しているとは限りません。そのため、自分の障害の状態や日常生活の状況などをできるだけ多く、医師に伝えて自分の障害の状態を的確に診断書に書いてもらえるような努力も必要だと思います。その診断書によって、障害年金が受給できるかできないか又は等級はいくらなのかが決まるための、障害者の今後の生活を左右しかねない大切な問題なのですから。

 また、診断書ができましたら、必ず自分で確認してください。医師が書いたものだから絶対間違えないと思いこむことは危険です。医師は激務の中、暇を見つけて診断書を書いてくれていますし、人間なのですから、間違うこともあります。そのため、窓口に提出する前に、隅々まで見て、もし記載漏れや記載ミスがある場合にすぐに訂正を医師にお願いしましょう。間違った診断書では、正確な審査をすることができませんので。

 これは、間違う人はあまりいないと思いますが、もし間違えたら費用の無駄になりますので、一応書きますが、障害年金の診断書は1つの様式ではなく、障害の部位により8種類に分かれています。そのため、自分の障害の部位にあった診断書を医療機関に提出して書いてもらうことになります。よって、間違っても自分の障害と関係のない診断書を提出しないように気をつけてください。

【診断書の種類】
1.眼の障害用
2.聴覚・鼻腔機能・平衡機能・咀嚼機能・言語機能の障害用
3.肢体の障害用
4.精神の障害用
5.呼吸器疾患の障害用
6.循環器疾患の障害用
7.腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用
8.血液・造血器・その他の障害用

 


 5−4 病歴・就労状況等申立書について
 

 病歴・就労状況等申立書は、請求者自身が作成する書類になります。この申立書も、審査時の判断基準になりますので、慎重に記載しましょう。

【各項目の注意点】

「傷病名」
 障害の原因となった傷病を記入します。二つ以上傷病がある場合でも、できるだけ1つに絞って書く方がよいと思います。また、どうしても2つとも重要な傷病であり外せない場合は、傷病ごとに申立書を書くべきです。

「発病したときの状態など」
 発病日は、何日まで特定できなくとも、何年何月くらいまで特定できればよいでしょう。

「初診時の医療機関など」
 初診日は、何年何月何日まで特定してください。諸事情で、受診状況等証明書が取れない場合であっても、自己でできるだけ調べて、初診日を特定してください。どうしてもわからない場合は、仕方ないので何日頃とするしかありませんが、その場合審査が難しくなり障害年金の受給にも影響ができるものと考えます。

「病歴」
 初診から現在までの傷病の経過を記載します。この記入の仕方は特段の決まりはありませんが、審査する側が見やすくわかりやすいように書くことがポイントです。

 例えば、病院を何か所か転院しているなら、病院ごとに記載したほうがわかりやすいでしょうし、同じ病院でも通院と入院をわけて書いた方が書きやすいかもしれません。ここは、個々人で書きやすくわかりやすいようにレイアウトしましょう。

 また、入院期間・治療内容などはできるだけ、詳しく書く必要があります。医療機関でどの期間にどのような治療をされたのかも審査の判断材料になるものと思います。

「就労状況など」
 仕事の状況について書くのですが、ここは正直に書いてください。仕事をしていない方が有利などと思い、嘘の記載をしても、審査の過程で嘘がわかる可能性がとても高いです。
 例えば、働いていたら、年金制度や労働保険制度に加入することがあります。そうなると、仕事をしてない時に保険制度の加入期間がもしあったら矛盾が出てきます。嘘をついていることが分かれば、審査にもかなりの影響が出ることは必至です。

 ただ、普通に働いていたことだけを記載していては、審査過程で普通に仕事をすることができるだけの能力があり、障害が軽度であると思われてしまいます。よって、仕事をしたことプラス仕事の内容や職場での配慮状況、障害による仕事の制限又は職場での障害の状態などを詳しく書くことが重要です。

「日常生活の不備など」
 ここでは障害があることにより、日常生活が制限されることを書きます。思いつくものはできるだけ書いていただきたいと思います。欄が足りなければ、別紙に記載して添付して出してもよいです。

 例えば、「食事・入浴・更衣・排泄・外出・痛み・会話・就寝など」の日常感じる不備を項目ごとに書くとよいと思います。



 最後に、診断書の内容と病歴・就労状況等申立書の記載に矛盾や数字などで違いがないか確認することは大切だと考えます。

 



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