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◆ 精神の障害についての認定基準
【認定基準表】
障害の等級 | 障害の程度 | |
国年令別表 | 1級 | 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの |
2級 | 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの | |
厚年令別表 | 3級 | 精神に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
精神に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの | ||
障害手当金 | 精神に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
精神の障害の程度は、その原因、諸症状、治療及びその病状の経過、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定するものとし、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級に、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの、及び労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものを3級に、また、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すものを障害手当金に該当するものと認定する。
精神の障害は、多種多様であり、かつ、その症状は同一原因であっても多様である。したがって、認定に当たっては個別に具体的な日常生活の状況等などにより、生活上の困難度で判断する。
◆ 精神の障害の認定要領
精神の障害は、「統合失調症、分裂病型障害及び妄想性障害」、「気分(感情)障害」(そううつ病)、「症状性を含む器質性精神障害」、「てんかん」、「知的障害(精神遅滞)」に区分する。
【統合失調症、分裂病型障害及び盲想性障害並びに気分(感情)障害】
1.各等級に該当すると認められるものの例
2.統合失調症、分裂病型障害及び盲想性障害並びに気分(感情)障害の認 定時の考慮点 ア) 統合失調症は、予後不良の場合もあり、国年令・厚年令に定める障害の状態に該当すると認められるものが多い。しかし、罹病後数年ないし十数年の経過中に症状の好転を見ることもあり、また、その反面急激に増悪し、その状態を持続することもある。したがって、統合失調症として認定を行うものに対して、発病時からの療養及び症状の経過を充分考慮する。 イ) そううつ病は、本来、症状の著明な時期と症状の消失する時期を繰り返すものである。したがって、現症のみによって認定することは不十分であり、症状の経過及びそれによる日常生活活動等の状態を充分考慮する。 3.日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能、とくに、知情意面の障害も考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。また、現に仕事に従事している者については、その療養状況を考慮し、その仕事の種類、内容、従事している期間、就労状況及びそれらによる影響も参考とする。 4.人格障害は、原則として認定の対象とならない。 5.神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定対象とならない。ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、総合失調症又はそううつ病に準じて取り扱う。 |
【症状性を含む器質性精神障害】
1.症状性を含む器質性精神障害とは、先天異常、頭部外傷、変性疾患、新生物、中枢神経等の器質障害を原因として生じる精神障害に、●原病や内分泌疾患を含む全身疾患による中枢神経障害等を原因として生じる症状性の精神障害を含むものである。なお、アルコール、薬物等の精神作用物質の使用による精神及び行動の障害(精神作用物質使用による精神障害)についてもこの項に含める。 2.各等級に該当すると認められるものの例
3.脳の器質障害については、精神障害と神経障害を区分して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則としてそれらの諸症状を総合して、全体像から総合的に判断して認定する。 4.精神作用物質使用による精神障害 ア) アルコール、薬物等の精神作用物質の使用により生じる精神障害について設定するものであって、精神病性障害を示さない急性中毒及び明らかな身体依存の見られないものは、認定対象とならない。 イ) 精神作用物質使用による精神障害は、その原因に留意し、発病時からの療養及び症状の経過を充分考慮する。 5.器質障害としての巣症状については、「神経系統の障害」の認定要領により認定するものとし、その諸症状、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、全体像から総合的に認定する。 6.日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能、特に、知情意面の障害も考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。また、現に仕事に従事している者については、その療養状況を考慮し、その仕事の種類、内容、従事している期間、就労状況及びそれらによる影響も参考とする。 |
【てんかん】
1.てんかん発作は、部分発作、全般発作、未分類てんかん発作などに分類されるが、具体的に出現する臨床症状は多彩である。 また、発作頻度に関しても、薬物療法によって完全に消失するものから、難治性てんかんと呼ばれる発作の抑制できないものまで様々である。 さらに、てんかん発作は、その重症度や発作頻度以外に、発作間欠期においても、それに起因する様々な程度の精神神経症状や認知障害などが、稀ならず出現することに留意する必要がある。 2.各等級に該当すると認められるものの一部例示すると次のとおり
(注1)発作のタイプは以下の通り A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作 B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作 C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作 D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作。 (注2)てんかんは、発作と精神神経症状及び認知障害が相まって出現することに留意が必要。また、精神神経症状及び認知障害については、前記「症状性を含む器質性精神障害」に準じて認定する。 3.てんかんの認定に当たっては、その発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点から認定する。 様々なタイプのてんかん発作が出現し、発作間欠期に精神神経症状や認知障害を有する場合には、治療及び病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。 4.てんかん発作については、抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制される場合にあっては、原則として認定の対象にならない。 |
【知的障害(精神遅滞)】
1.知的障害とは、知的機能の障害が発達期(約18歳まで)にあらわれ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものをいう。 2.各等級に該当すると認められるものの例
3.知的障害(精神遅滞)の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する。 4.日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能、特に、知情意面の障害も考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。また、現に仕事に従事している者については、その療養状況を考慮し、その仕事の種類、内容、従事している期間、就労状況及びそれらによる影響も参考とする。 |
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